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腸内フローラを整えよう

[2023.08.26]

腸内フローラって、何?

腸内フローラは、腸内細菌叢とも言い、糞便のなかの細菌の集団のことです。糞便の60%が腸内細菌で構成されています。ひとりの腸内には約100種類、約40兆個の腸内細菌が棲んでいるとされていて、種類とその割合は人によって異なります。

腸内細菌は、ビタミンやアミノ酸を産生し、免疫機能を高めたり、病気の原因となる細菌やウィルスを排除するなど、体に有用な働きをする「善玉菌」、腸内で有害な物質を作り出す「悪玉菌」、基本的には有用で、時として有害になる「日和見菌」の3種類に分けられます。このさまざまな腸内細菌は、生存競争を繰り広げながら、一定のバランスが保たれた状態になっています。

腸内細菌のバランスが崩れると

遺伝子解析による腸内フローラの研究から、特定の腸内細菌が増加して、腸内細菌の多様性が減少し、健康な人と菌叢が異なってくると、病気になりやすいことがわかってきました。炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、非アルコール性脂肪性肝炎、大腸がんなどの消化器疾患だけでなく、糖尿病や肥満、動脈硬化、アレルギー、関節リウマチ、さらに自閉症、うつ病、認知症などにも関与していることが明らかにされています。

病気になりにくい腸内環境を作ろう

望ましい腸内フローラは、善玉菌が優位でバランスが取れた状態です。腸内細菌の種類と割合は、食事の内容によって大きく変わるので、毎日の食事は大事です。善玉菌そのものと、善玉菌が好むオリゴ糖や食物繊維を摂取すると良いでしょう(表1)。悪玉菌は高脂肪・高たんぱくの食品を好みます。脂肪や肉類の食べ過ぎは悪玉菌を増やす原因となるので避けたいですが、体を作る重要な栄養なので、適量を摂取することは必要です。さまざまな食品を適量摂取して腸内細菌の多様性を維持し、病気になりにくい腸内環境を作るよう心がけましょう。適度な運動や十分な睡眠も、腸内環境にとって大切です。

表1 腸内フローラを改善する食品

摂取すると良いもの

多く含まれている食品

善玉菌

乳酸菌

チーズ、ヨーグルト、納豆、漬物など

ビフィズス菌

ヨーグルトなど

善玉菌を増やすもの

オリゴ糖

ごぼう、玉ねぎ、りんご、バナナ、はちみつなど

食物繊維

穀類(玄米、雑穀など)、豆類(大豆、いんげん豆など)、いも類(さつまいも、じゃがいもなど)、きのこ類(しいたけ、えのきなど)、海藻類(わかめ、昆布など)、野菜類(ごぼう、ブロッコリー、モロヘイヤ、かぼちゃなど)、切り干し大根など

 

              令和5年8月20日 日医ニュース「健康ぷらざ」より

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