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冬場に気をつけたい食中毒 ― ノロウィルスによる感染性胃腸炎 ―

[2024.11.30]

ノロウィルスによる食中毒

 国立感染症研究所の統計では、ノロウィルスによる食中毒は11月から増加し、1~2月に多くなると報告されています。ノロウィルスは加熱により死滅します。汚染された食材を、生あるいは十分に加熱しないで食べると感染する恐れがあります。牡蠣などの二枚貝は、感染源の一つです。人の腸で増えたノロウィルスが下水から海へと流れ、二枚貝の中で濃縮されます。その時期が牡蠣を食べるシーズンと重なっているのです。

受診が必要なタイミング

 主な症状は、嘔吐、みぞおちの痛みなど胃の症状と、水のような下痢、腹痛など腸の症状です。このような症状があれば、かかりつけ医を受診しましょう。感染性胃腸炎の大半はウィルス性ですが、血便が出る場合は細菌性の可能性があります。また、右下腹部痛がある際には虫垂炎が疑われます。ノロウィルスの増殖を抑える治療薬はなく、感染性胃腸炎の治療は対症療法です。水分摂取は、「ペットボトルのキャップ程度の少量の水分を何度も何度も摂る」ことを勧めています。少量・頻回に水分を摂取しても、何度も吐いたり、歩くことも難しいなら、制吐剤を処方してもらう必要や、点滴が必要な場合もあります。

感染を広げないために

 家庭内で感染を広げないことが大事です。①胃腸炎の方を介抱したらその都度手を洗う、②食事や水分を摂取する前に手を洗うーを励行してください。ノロウィルスはアルコールでは対応できないので、嘔吐物・糞便の処理や、便座などの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤を用いる必要があります。

 

令和6年11月20日 日医ニュース「健康ぷらざ」より

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