たんぱく質を十分に摂っていますか?
たんぱく質が不足すると
たんぱく質はアミノ酸でできていて、人体の主要な構成成分です。内臓、筋肉、皮膚、毛髪、ホルモン、酵素、さらに免疫抗体は、すべてたんぱく質からできています。たんぱく質の摂取量が不足した状態が長期に及んでしまうと、成長障害、浮腫、腹水貯留、食欲不振、下痢、貧血、精神障害、さらに感染症への抵抗力の低下ばかりでなく、疲れやすい、かぜをひきやすい、集中力が続かない、肌荒れといった症状も出ます。
体に必要なたんぱく質の量
たんぱく質は体重1㎏あたり1.0g以上摂取する必要があります。成人男性では一日に約60~80gです。この量を具体的に示すと、朝食に卵1個、昼食に肉60~70g、夕食に魚一切れと豆腐半丁ぐらいを主菜にし、主食として毎食ご飯をお茶碗1杯、さらに一日に牛乳をコップ1杯飲むと、摂ることができます。特に、質素な食事をする人、ダイエットに熱心な思春期の女性、スポーツ選手、過酷な肉体労働者、高齢者や傷病者、ストレスの多い仕事に従事している人などは、たんぱく質不足になりやすいので留意しましょう。
たんぱく質を摂る食事で気をつけたいこと
忘れてならないことは、たんぱく質と摂取エネルギーとの関係です。近年、動物性たんぱく質食品を控える人がいますが、動物性たんぱく質は消化・吸収率がよく、体内での利用効率が高いので、積極的に摂取し、極端な菜食は控えましょう。特に成長期の子ども、高齢者では気をつける必要があります。また、摂取エネルギーが不足すると、たんぱく質がエネルギーとして使われてしまい、体づくりに利用されなくなります。極端な低糖質食や低脂肪食は、エネルギー不足を起こすので、控えるようにしましょう。
令和6年7月20日・8月5日合併号
日医ニュース「健康ぷらざ」より